空き家活用ケーススタディインタビュー02

空き家活用ケーススタディ
一目ぼれした古民家で
人と人をつなぐカフェをオープン
正橋さんご夫婦
居住地:神奈川県鎌倉市(Iターン)
移住時期:2017年

居住地:神奈川県鎌倉市(Iターン)
移住時期:2017年
JR茅野駅から車で20分、八ヶ岳を望む標高1000メートルの泉野集落。その中心部で築100年超の古民家を改装した「まちづくりカフェ まっさんち」を運営する正橋さんご夫婦は2017年春に神奈川県鎌倉市から移住してきました。
正橋さんご夫婦が移住を考え始めたのは2015年頃。鎌倉は観光客を含めて人が多い環境だったため、広々とした自然が感じられる、落ち着いた場所で生活したいという思いからでした。そこで、度々登山に訪れて親しみがあった長野県の中でも、雪の心配が少なく、首都圏からのアクセスもいい諏訪エリアで物件を探すことにしました。
早速、ある自治体の物件探しツアーに参加したものの、イメージに合う物件はありませんでした。そんな時、不動産会社のホームページでたまたま見つけたのが今の古民家でした。公民館に隣接し、人が集まる集落の一等地という立地は、観光地や別荘地ではなく、昔からの集落で暮らしたいというご夫婦の希望に合致。さらに、飲食店経営可という条件が鎌倉の飲食店でパティシエとして働いていた奥さまの決め手になりました。
古民家は外観を残しつつ、天井を取り払って梁を見せ、広々とした空間にリフォーム。内装はできるだけ自分たちで整えました。開店準備をしていると、地元の人たちが「何をやるんだ? どこから来たんだ?」と声をかけてくれました。当初はケーキをメーンにしたカフェを考えていましたが、地元の人の「食事もできる店がほしい」という声を受けて、カレーやワンプレートランチも提供することにしました。現在、お客さんは地元の人が中心で、地域の集まりの会場にもなっています。これまでにマッサージ師とのコラボや、地元の人が作ったものを販売するマルシェなども企画。今後も地元の人と一緒に行うイベントを増やしていきたいと考えています。
茅野での暮らしも8年目。奥さまは「ご近所を散歩するだけで景色に感動できます。今日も山がきれいだなと。山の表情は時間によっても違って、いまだに飽きないです。そういう感動が日常にあるのがいいですね」と移住の魅力を話してくれました。ご主人は、「最初はどこへ行くにも遠いと感じましたが、慣れました。鎌倉は渋滞がひどかったので、距離は遠くても、移動にかかる時間で考えれば苦じゃないと思うようになりました」と振り返ります。現在は花き農家を始める準備中です。